毎年ゴールデンウィークごろから、ぐっと気温が上がり、暑い日が増えてきます。
時に真夏のような暑さになることもあります。
子供達の部活動や習い事は、年齢が上がるとより本格的になり、スポーツ系の部活動や習い事では運動量が大きく増えます。
通常の水分補給では間に合わず、スポーツドリンクを飲んでいても熱中症症状が出ることがあります。
熱中症の予防や発生時は、塩分と水分の両方を含んだ飲み物(経口補水液)が推奨されています。
熱中症というのは体温上昇と脱水が必ずあり、安静、冷却とともに水分補給が必須です。
まずはジュースでも何でもよいので冷えた飲み物を与える必要があります。大量に汗が出た場合には塩分が必要であり、水分や塩分を腸管からスムーズに吸収させるために糖分が重要な役割を果たすとともに、体力消耗時にはエネルギー源になります。
去年の夏、息子がテニスレッスン中にスポーツドリンクと水を十分摂っていたにもかかわらず、熱中症症状(頭痛、倦怠感など)が出ました。試行錯誤し、塩麦茶ならぬ「塩ポカリ」にたどりつきました。
「塩ポカリ」が案外よかったことと、科学的にあながち間違っていなかったことということを紹介したいと思います。
今年はさらに息子に必要な塩分量についても実験をしてみたのでお付き合いください。
塩ポカリ誕生について
去年の夏、炎天下でテニスのレッスン中、注意して水分補給(スポーツドリンクと水)をしていたのにもかかわらず、レッスン後に頭が痛くなって気分が悪くなってしまいました。オーエスワン(経口補水液)をのんで回復しました。汗がたくさんでていて、黒いTシャツが塩をふいて白くなっているところがありました。
塩分が足りなかったと考え、以降のレッスンではスポーツドリンクと塩分チャージのアメで対応していました。塩分チャージのアメがすぐになくなってしまい、しょっちゅう買っていました。
すぐに無くなるし、もったいないなぁと思っていたところ、かかりつけの小児科の先生が塩麦茶を紹介していました。
“熱中症対策に水か麦茶500mLに塩をひとつまみ入れましょう“と。
水か麦茶1Lならば塩を2つまみ入れましょうということか・・・。
塩分補給のためにポカリスエットに塩を入れてみれば良いのでは?
息子の場合はテニスで運動量が多いので、塩麦茶を参考にしつつ、少し塩分多めでポカリ1リットルに塩3つまみを試してみました。それ以降、熱中症症状が出たことはありません。
塩分チャージのアメも買わず済み、熱中症も予防できて一石二鳥です。
なぜポカリスエットなのか?アクエリアスではダメなのか?
市販のスポーツドリンクは塩分が少なめで糖分を多く含むものが多いです。加えた塩はポカリスエットの糖分をより甘く感じさせるようで、練習中にのむととてもおいしく感じるそうです。スイカに塩をかけると甘く感じるのと似た感じでしょうか?
私が実際に味見をしてみると、少し塩辛いポカリスエットでした。
アクエリアスに同量の塩を加えだ場合は、まずくてのめないそうです。
ポカリスエットの成分は、汗の成分に近くして吸収を良くしています。また糖分を含んでいるので、水分や塩分を吸収しやすくなっています。スポーツで失われたエネルギー補給にもなります。一方アクエリアスは疲労回復効果のあるアミノ酸が含まれており、糖分は少なめです。
本当はポカリスエットの粉末よりアクエリアスの粉末の方がコスパが良いのですが・・・。
汗の成分の解説とアクエリアス、ポカリスエットに含まれている成分がくわしく書かれています。
どれぐらい汗をかいているのだろう。塩分はどれぐらい出ていっているのだろう。実験してみた。
登場人物紹介
緊急事態宣言解除後、久しぶりにテニスのレッスンがありました。
「今日はすごく暑くてつかれた。ポカリ2L持っていったけど足りなかった。頭が痛い。」
次のレッスンにて
「塩ポカリ3L持っていく。」
「水分や塩分が足りているか実験したいから、体重をレッスン前後で計っといて。」
レッスン後
「塩ポカリ3L持っていってほとんど残らなかった。体重は300g減っていた。トイレには行ってないよ。今のこの時期で塩3つまみでちょうど良いから、真夏の炎天下だったらもっと塩分が必要かもしれない。」
「太郎の汗からどれぐらい塩分が出ているか、そしてポカリスエットにどれだけ塩を入れたらいいか?計算してしみよう!」
汗に含まれる塩分濃度は個人差やその時の体の状況により差がありますが、約0.2〜0.4%と言われています。
今回太郎さんはトイレにいってないので約3L(=3000ml)汗が出たことになります。
式は (出た汗の量)× (汗の塩分濃度の0.2〜0.4)÷ 100 =汗に含まれる塩分量
3000 × 0.2÷100 = 6g 〜 3000× 0.4÷100 =12g
1回のレッスンで6g〜12gも塩分が体外に出ていました。
日本人の1日あたりの塩分摂取量は約10gです。レッスン時間が長かったり、炎天下であったり、塩分の補給が余分に必要になることがありそうです。
日本スポーツ協会によれば、
熱中症予防の水分補給として0.1〜0.2%の食塩と糖質をふくんだ飲物を推奨しています。特に1時間以上運動をする時は4〜8%の糖質を含んだものを摂取します。
冷えたスポーツ飲料や経口補水液が便利です。自作する場合1Lの水にティースプーン半分(2g)と角砂糖を好みに応じて数個とかして作ることができます。
今回の実験のため、太郎の1つまみの量をはかりで測ったら0.1gでした。
今はポカリスエット1L(=1000mL)に3つまみの塩を入れています。ポカリスエット1Lにはもともと1.1gの塩が含まれています。
塩の量=(ポカリスエットの塩の量)+(3つまみの量)=1.1 +0.3 =1.4g
塩の量 ÷ 塩ポカリの量 × 100 = 塩ポカリに含まれる塩分の割合(%)
1.4 ÷ 1000 × 100 = 0.14%
「0.2%まで塩が入れられるから、ポカリ1Lだったらあと6つまみ(合計9つまみ)入れられるね。」
「今塩3つまみだから、もう少し暑くなったら4つまみ、炎天下だったら5つまみぐらいにしようかな?」
最後に、プロスポーツ選手達にとっても運動中の水分補給や塩分補給は重要で、低ナトリウム血症で命を落としている選手もいます。
https://www.cocacola.co.jp/article/hydration-tool_06
まとめ
今回の実験でスポーツ中には水分だけでなく塩分もたくさん出ていることが分かりました。
子供が安全にスポーツするためにも親として知っておく必要があると思います。
計算式も載せましたので参考にしていただけるとうれしいです。